蜜柑日誌
蜜柑日誌
2020.05.31
今日の伊藤ミカン園
以前ブログでお話した金峰みかんの花と芽ですが、現在こんな感じに育っております(以前書いた「ミカンの花①」にあるブログ画像と比べると分かりやすいかと思います)。
もう花が散っているものが多く、芽も大きくなり葉に近づいてきました。何よりミカンの実が見えます。
お店に並んでいるミカンは見たことがあるかと思いますが、ここまで小さなミカンはあまり見たことがないんじゃないかと思います。
もう少しすると花も完全になくなり、実も大きくなってきますので、また改めてご紹介させていただければと思います。
一方で、花がほとんどないミカンの木もあります。例えばこの木。
芽が多いのが特徴的です。じつは花がない理由はハッキリしています。伊藤家の金峰みかんは糖度が高くなるように栽培しているため、ミカンの木が体力を沢山使ってしまうことが原因なのです。
翌年に花を付けることに体力を割くことができない。しかしこのままだとミカンの木が弱るので、芽を出して葉を作り体力を戻そうと、防衛本能が働いていると言うわけです。
そうすると、去年は収穫できたけど今年は収穫できないということが起こってしまいます。これを「隔年結果」と言うのですが、伊藤ミカン園では毎年これとの闘いです。
そもそも伊藤ミカン園では「隔年結果」が起こらないよう、収穫後に独自で調合した肥料で隔年性を抑えているのですが、まだ100%完全には抑えられていないのが現状です。
それに近づいてはいるのですが、これがなかなか難しいところです。やはり花が咲かないことには収穫できないわけですから、隔年結果のある品種は農家から敬遠されがちです。
またそういった事とは別に、狂い咲きのように花がたくさん咲くパターンもあります。それはミカンの木が弱っている時で、子孫を残そうとしているためです。
ただ花がたくさん咲くと、次の年にミカンの木が枯れることが多いです。その場合は花を全て落として、ミカンの木が自分を守るために力を使うようシフトさせます。ただ、それでも枯れる時は枯れてしまいます。
花といっても遅れて花が咲く場合や、上でお話したように狂い咲きのような場合もあり、色々な咲き方があります。
この木は良く頑張ってくれているとか、随分長く活躍してくれたとか、子供の頃から知っている木もあるので色々と思い出します。
そこには次の花を見るためにまたミカンの苗を植えるのですが、本当に感謝しかありません。
ミカン、そしてミカンの木の成長は日々更新されていきますので、また新鮮な情報をお届けできればと思います。